はじめに
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、どこか懐かしい“2Dゼルダ”の手触りを残しながら、驚くほど自由で新しい冒険を届けてくれる作品です。
ブレス オブ ザ ワイルドやティアーズ オブ ザ キングダムで感じた、「好きな順番で、好きな方法で進められる」あの自由さが、見下ろし視点のゼルダでもしっかりと生きています。
この作品に用意された攻略法は、きっと“無限大”。
借りた知恵をどう活かすか、どう組み合わせるか、そのすべてがプレイヤーの発想次第です。
シリーズに親しんできた人にも、初めてゼルダをプレイする人にもおすすめできる、やさしくて奥深い“ひらめき”の冒険。
この記事では、ネタバレなしで本作の魅力をレビューしつつ、どんな方におすすめかを紹介していきます。さらに記事の後半では、ストーリーのあらすじや見どころを紹介するパートを用意しており、そこでは章ごとに編集したプレイ動画もあわせてご覧いただけます。
なお、2章以降のあらすじパートは折りたたみ形式にしているため、ネタバレが気になる方も安心して読み進めていただけます。
それぞれの楽しみ方に合わせて、気になるところから自由に読んでいただけたら嬉しいです。
1. ゲームの基本情報

タイトル | ゼルダの伝説 知恵のかりもの |
対応機種 | Nintendo Switch |
発売日 | 2024年9月26日 |
メーカー | 任天堂 |
ジャンル | 2Dアクションアドベンチャー |
2. ネタバレなしレビュー
① ストーリー|借りた知恵で、誰かを助ける旅
本作は、ゼルダ姫が主人公となるちょっと特別なゼルダの伝説。
ある事件をきっかけにリンクが姿を消し、ゼルダはその謎を追う旅に出ます。
旅の相棒は、物や魔物の力を一時的に“借りる”ことができる不思議な杖「トリィロッド」。
借りた力で仕掛けを解き、道を切り開きながら、各地の問題を解決していきます。

水辺や砂漠、火山、霧の森など、旅する順番はプレイヤー次第。
どこへ行くか、どう攻略するか——その自由さは、ブレワイやティアキンにも通じる感覚。
ゼルダならではのやさしい視点と、静かに広がる世界の謎が魅力の物語です。

② ゲームプレイ|“借りて、ひらめいて、進む” 新しいゼルダ体験
本作の最大の特徴は、不思議な杖「トリィロッド」を使った“借りもの”のシステム。
石を持ち上げたり、敵の能力を一時的にコピーしたりと、
周囲のものを借りて活用することで、道を切り開いていきます。

ポイントは、その活用法に“正解がひとつではない”ということ。
仕掛けや戦い方はプレイヤーの発想次第で、驚くほど自由。
「え、こんな方法でもいけるの?」という気づきがたくさんあって、思わず試したくなります。
クモに崖を登ってもらうことも・・・!

ダンジョンやフィールドの構成も、2Dゼルダらしいコンパクトさと工夫の詰まった設計。
短い時間でも1ステージ遊びきれるテンポのよさと、
ちょっと立ち止まって考える“ひらめき”の楽しさが、絶妙なバランスで成り立っています。
③ グラフィックと演出|ミニチュアの世界を覗くような、あたたかく精巧なビジュアル
『知恵のかりもの』のグラフィックは、まるでミニチュアのジオラマを覗き込むかのような精巧さと温かみがあります。
細かく作り込まれた背景やキャラクターは、小さなフィギュアのように愛らしく、手に取れそうな質感が魅力です。

キャラクターの動きはスムーズで自然、表情も豊かに感情を伝えます。
ゼルダ姫のしぐさや敵のリアクションが丁寧に描かれており、物語への没入感を高めています。

全体として、精巧でありながらほっこりするビジュアルと演出が、穏やかな冒険の世界に自然に引き込んでくれます。
④ 音楽とサウンド|木管楽器と弦楽器の生演奏が織りなす、あたたかく優しい音の世界
『知恵のかりもの』の音楽は、木管楽器と弦楽器を中心とした生演奏で奏でられており、
やわらかく温かみのある音色がミニチュアの世界観にぴったりとマッチしています。
フルートやクラリネット、オーボエなどの木管楽器の繊細で軽やかな響きに加え、
ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器の豊かで深みのある音色が重なり、
冒険の穏やかさやドラマチックな場面を丁寧に彩ります。
音楽がカギとなるストーリーもあります!

フィールドやダンジョンごとに異なるテーマ曲は、自然の風景や緊張感を表現し、
生演奏ならではの息遣いや温もりがプレイヤーの心をぐっと掴みます。
⑤ ボリュームと遊びごたえ|ちょうどよく濃密。何度も試したくなる発見の旅
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、プレイ時間の長さよりも「密度」で勝負する作品です。
決して大作級のプレイ時間ではないものの、どのエリアにも仕掛けとアイデアが詰まっており、
短めのプレイ時間でも満足感はしっかりあります。
一つひとつの謎やギミックには“答えがひとつではない”工夫がされており、
「今のやり方が正解だったのかな?」と何度も試したくなる面白さがあります。
繰り返しプレイする中で、新たな発見や発想の変化が生まれることも。

また、トリィロッドを使った「借りる」アクションの自由度が非常に高く、
プレイヤーの創意工夫がそのまま攻略に反映されるので、
遊ぶ人ごとに体験が変わるのも大きな魅力です。

「気軽に始めて、気づけば夢中に」──
そんな濃密な体験を味わわせてくれる、遊びごたえたっぷりの一作です。。
3. こんな人におすすめ
- 自分のひらめきで謎を解くのが好きな人
このゲームの謎解きには「決まった正解」がありません。手に入れたアイテムや周囲の環境をどう活かすかは、プレイヤー次第。ときには突飛な方法が正解になることもあり、自分の発想がそのまま“攻略”につながる喜びを味わえます。 - ブレワイ/ティアキンの自由な遊び方が好きだった人
『ブレス オブ ザ ワイルド』や『ティアーズ オブ ザ キングダム』のように、思いついたことをそのまま試せる自由度があります。空間をどう動くか、仕掛けをどう利用するか──プレイヤーの創造力がそのまま冒険になる感覚を、2Dゼルダで楽しめます。 - アクションはそこそこで、頭を使うゲームが好きな人
反射神経よりも思考力。敵とのバトルよりもギミック攻略。そんなバランス設計がされているため、アクションが苦手な人でも気軽に楽しめます。「遊ぶ」よりも「考える」を重視したゼルダを求めている人におすすめです。 - 可愛いけれど奥深い、“ミニチュア冒険”に心惹かれる人
グラフィックは手作り感のあるミニチュア風で、温かみのあるビジュアル。けれどその世界で起こる仕掛けや物語は意外と本格派で、童話のようでありながら、大人も夢中になれる冒険が詰まっています。 - ゲーム音楽やサウンド演出にもこだわりたい人
木管楽器や弦楽器を中心とした生演奏によるBGMが、世界観と完璧にマッチ。どこか懐かしく、それでいて新鮮な旋律が、プレイヤーの冒険を優しく彩ります。音楽の力で没入感がさらに高まるのを感じられるはず。
4. あらすじとプレイ動画
📌 ここから先はストーリーに関するネタバレを含みます!
【第1章】姫の旅立ち
物語はハイラル城での異変から始まります。
突如として現れた“裂け目”が城を襲い、リンクがその中へと消えてしまう中、ゼルダは一人立ち上がります。
新たに手にした「トリィロッド」と共に、真実を追い求める旅が幕を開けます。
【第2章】無の世界
ゼルダが最初に足を踏み入れるのは、リンクが飲み込まれた謎の「裂け目」。
そこは現実とは異なる、不安定で奇妙な世界。
物の法則が通じない空間で、ゼルダは「借りる力」を試しながら、少しずつ奥へと進んでいきます。
この異変の核心へ近づくための、最初の一歩となる冒険です。
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【第3章】ゲルド砂漠の裂け目
過酷な日差しと風にさらされる砂漠地帯では、環境との戦いもポイントに。
砂に埋もれた遺跡や、風を操る仕組みを乗り越える知恵が試されます。
遺跡の奥で待ち受けていたのは・・・
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【第4章】ジャブール水域の裂け目
続いて訪れるのは、美しくも不穏な水のエリア。
水の流れや水棲生物の力を“借りる”ことで、巧妙な仕掛けを解いて進んでいきます。
対極の演奏家が奏でる美しく力強い音楽にも注目です。
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【第5章】ハイラル王の救出
ついにゼルダは、異変の発端と思われるハイラル城へと辿り着きます。
そこには、かつての宿敵を思わせる強大な存在が待ち構えており、緊張感のある戦いが幕を開けます。
しかし、すべてが終わったかに見えたその瞬間――物語は思わぬ方向へ動き出します。
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【第6章】湿原の食いしん坊
フィローネ湿原に足を踏み入れたゼルダは、個性豊かな食いしん坊のデクナッツと出会います。
彼との交流を通じて、湿原に潜む謎や仕掛けを解き明かしながら進む冒険が繰り広げられます。
湿原での冒険を終えたゼルダは、そこで神秘的な女神と出会います。
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【第7章】火山の見習いゴロン
オルディン火山では、かつて族長だった父を亡くした息子の成長が描かれます。
父のマニュアルに頼らず、自ら考え行動することの大切さを見出し、試練を乗り越えていきます。
火山での冒険を終えた後に女神が語る原初の神話にも注目です。
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【第8章】優しい雪男
霊峰ラネールでは、優しい雪男がいなくなった兄の背中を追いかけて旅を続けます。
厳しい寒さと険しい山道の中で、兄への想いを胸に成長していく彼の姿が描かれています。
3つ目の証を手に入れたあとに待ち構えていたのは・・・
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【最終章】大いなる力と別れ
物語の終盤に待ち受けるラストダンジョンでは、これまでの旅で培った絆や成長が試されるような展開が描かれます。
大切な存在との別れや、ほんの小さな変化が、静かに心を揺らすクライマックスに。
派手さよりも、じんわりと余韻が残る終わり方が印象的です。
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5. 総評
満足度
✅ よかったところ
- 自由度の高い謎解き
敵やオブジェクトを「借りる」ことで、多彩な攻略法が可能。プレイヤーの発想しだいで解き方が変わるのが面白いです。 - ミニチュアのような温かみのあるビジュアル
ジオラマのような世界が魅力的で、画面の隅々まで眺めたくなる作り込みが光ります。 - 木管・弦楽器を中心とした生演奏の音楽
やさしく繊細なサウンドが世界観にぴったり。場面ごとの印象的な曲が耳に残ります。 - サクサク遊べるテンポ感
広すぎず密度の高いマップ構成と快適な移動で、飽きずに遊び続けられます。 - 心に残る優しい物語
小さな出会いのひとつひとつがあたたかく、静かに心に響くストーリー展開です。
🤏 惜しいところ
- やや短めのボリューム
密度はあるものの、メインストーリーの尺は控えめ。もっと遊びたいと感じる人もいるかもしれません。 - 難易度はやさしめ
アクションや謎解きに大きな壁はなく、ベテランプレイヤーには少し物足りないと感じることも。 - 操作に少し慣れが必要
「借りもの」アクションの直感的な操作になれるまでは、やや戸惑うかもしれません。
まとめ
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、2Dゼルダの文脈を継ぎながら、革新的な「借りもの」システムで新しい体験を届けてくれる作品でした。
どこか懐かしいのに、遊んでみると驚きの連続。ひとつひとつの出会いがあたたかく、優しく、でも確かにプレイヤーの心を動かしてくれます。
ブレワイやティアキンのような「自由さ」を、2Dゼルダならではの密度で凝縮したような印象で、短めながらもしっかりと満足感のある冒険が楽しめました。
ゼルダ姫が主人公という新鮮さに惹かれた人も、昔ながらのゼルダが好きな人も。
そして、優しい音楽とあたたかな世界に癒されたい人にも、ぜひ手に取ってほしい一作です。
この記事が『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』に興味を持つきっかけや、プレイ後の共感につながれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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